2012/01/07

苦しんでいる人に少しでも。癌性腹膜炎のこと(4)

■いたみどめ

癌は痛い。
痛い部位は癌によって違う。どう痛いのかも違う。
いえることは、癌が臓器を圧迫して、或いは臓器に喰らいついて痛いわけで、癌をとらないと痛みはなくならない。
その痛みも、臓器の損傷で痛いのか、臓器が損傷した結果おこる臓器不全のため痛いのか。さまざまだ。
どの道痛いのだから、癌を取れないなら痛み止めをつかうしかない。

<最初>
ロピオン+フェンタニル+アタラックス
総じてショット。痛みを止めて、眠らせようというやつ。フェンタニルのシールも使う。
痛みによって適宜増量。

<2>
フェンタニル持続点滴
最初のやり方でフェンタニルが効かなくなったら持続点滴。痛みがきたらフラッシュ。

<3>
モルヒネ持続点滴
フェンタニルが効かなくなったらモルヒネに。痛みがきたらフラッシュ。
モルヒネはフェンタニルと違い、即効性が無い。しかし定期的な使用はモルヒネ耐性をはやめるので不可。
モルヒネには副作用がある。吐き気など。これらは普通2週間くらいでなくなる。
あまりにもきついときはH2ブロッカーで吐き気を制御。
しかしこれをいれると保険の問題で病院食がでなくなる。
味覚障害など顕著に。

<4>
モルヒネ持続点滴+ミタゾラム
ミタゾラムは麻酔前の麻酔のようなもの。安定剤であり、眠ってしまう。すぐに効く。
この段階までくると、モルヒネによる意識レベル低下が著しいが、意識がなくても痛みはあるので、モルヒネは必要。
ミタゾラムは呼吸抑制があるので血圧・酸素量をしっかり見てから。

<最後>
モルヒネ・ミタゾラム持続点滴
ここまできたらほとんど意識レベルは無い。
血圧・酸素ともに下がる。嚥下がうまくいかず、痰がたまる。
呼吸抑制のあるミタゾラムと痰のからみによって、息が苦しくなる。
酸素が減る。血圧がさがる。脈が下がる、ということになる。

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