2012/05/17

小唄・金柑漬浮世問答「きんかんづけうきよもんどう」

〽ならぬ堪忍 せぬが肝心
 一度切れりゃあ 戻りはせぬよ
 堪忍袋の 緒に替えは無し

 (囃子:尾のあるうちは まだ猿もどき)

〽飯はまだかと かしまし親父
 うぬが稼ぎで お釜が開くか
 毒を盛られて 逝くよりマシぞ

 (囃子:墓ン中でも夫婦(メヲト)はつづく)

〽耄碌爺に 耄碌婆
 ケチを因果に 長生きするが
 年金手帳は 放しゃせぬ

 (囃子:地獄の沙汰も金次第)

〽極道娘が 極道連れて
 飯の頃合い アメ車で参上
 閼伽児(ヤヤ)が出来たと 向こう見栄

 (囃子:産まれりゃ馬鹿でも可愛い孫よ)

〽命短し 恋せよ君と
 募る陰間の 秋波知れば
 夕陽の翳りも 旭日に見える

 (囃子:五十路の操じゃ質入れできぬ)

〽春は桜で 夏向日葵で
 秋は紅葉で 冬は寒梅
 酒呑み仇にゃ 色気が足りぬ

 (囃子:四季で呑む酒、死期を飲む酒)

〽まこと真面目に 勤めた人生
 御釈迦様でも 涙に暮れよう
 吾が鼻紙で 御拭い候

 (囃子:云うはタダ也、南無阿弥陀仏)

〽産まれ呪って 若さ見過ごし
 老いを恥じらい 死におののけば
 無知に揺られて ハイそれまでよ

 (囃子:酸いも甘いも苦いもあるさ 人生なんざァ金柑漬けよ)

 ※くりかえし


0 件のコメント: