2013/01/27

柳家花緑独演会に行ってきた


柳家花緑…実はあんまりよく知らない咄家なのだが、チケットをさる関係筋に入手していただいたので行ってみた。場所はみなみホール。鹿児島の主力新聞・南日本新聞の社屋の4階にあるホールだ。めいいっぱい入っても400人前後。キャパ的に寄席に近いのじゃなかろうか? ちょっと後ろのセンターあたりに席をとっていただいた。ほとんど真正面。ある意味一番いい席だったと思う。隣席には懇意にしていただいている行きつけのお店のママ。鹿児島には数少ない落語通で、何かあったら物が言い合える。これ以上無いといってもいいくらいのシチュエーション。

どうも若手落語家というのは、先入観から引いてしまう。新作創作落語の一辺倒ではなかろうか、甲高い声で聞いていて疲れてしまうのではなかろうか…。とはいえ、花緑師匠は人間国宝五代目小さんの孫というサラブレッド。そしてさらに戦後最年少真打。期待しない気持ちと期待が持てる気持ちが相半ばし、なんともいえない緊張感があった。

15:30開演。前座は七番弟子の柳家緑太という人。相当若いと思う。古典の「やかん」を演った。花緑のコピーのような風貌・雰囲気で、本筋の下げまではやらぬものの、講談シーンもしっかりぶつけ、非常によくできていた。講談部分の見台見立ては膝上ではなく、談志のように床板でやったらよかったのじゃなかろうか。とにかく驚いたのは、前座にも関わらず大ネタをぶつけてきたところだ。18分。

それが済んだら花緑の登場。
本人としても、小さんの話に触れないわけにはいかないようで、まずは祖父の話。けれども、それをあまり大げさにはせず、少し長めの枕でたっぷりあたためて、一気にマイナー古典「鶴」、そのまま話を続けてひきつづき「夢金」。「鶴」は前座と話が突いている感が否めなく、聞いていて少し疲れたが、「夢金」はなかなか良かった。それにしても1時間しゃべりっぱなしでなんという体力かと。ここまで新作創作なしで、落語好きには堪らない流れ。

仲入り後、再び花緑が登場。出囃子は木賊刈で「すわ立川流?」。ネタは祖父小さんも演っていた、左甚五郎「竹の水仙」。仲入り前に古典ばかりだったので、最後は新作創作かと思っていただけに、これは個人的に喝采の展開。アクションを大きくして若さを発散するあたりは祖父との比較を乖離させるが、これはこれで非常に面白く、もしかしたら祖父の同題より笑ったかもしれない。約50分の口演。

ふりかえってみると、花緑師匠、結構マイナーなネタをやってくれたなと。鹿児島は8回目ということで、ネタ選びも大変だろう。私は初めて行ったものの、客の幾許かは本寄席の常連と化しているわけで、そういう人にはメジャーな話ではもう物足りないかもしれないという配慮があったのだろう。そう言う意味で良いチョイスだったと思うが、個人的には「厩火事」とかも聞いてみたいなと思う。そういうふうに思えたということは、聞いて良かったという感想の裏返しか。

終わってから行きつけ店のママと、お店の常連の若い男性を一人呼び出して屋台村に。鹿児島には屋台村ってのがあるんですよ。ふるさと屋台村ってのが。飲んだ飲んだ。振り返ると先週の火曜あたりから毎晩かなり飲んでるなあ。
そんなわけで、今もこのブログをほとんど酩酊状態で書いている。別に面白いエッセーにしようとは思ってないよ。日記だ日記。どうぞ勘弁。

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